ジョー・ローガン サイケデリックが人を作った

サイケデリックなカブトムシ ミーム
Gordon JohnsonによるPixabayからの画像

進化の過程にサイケデリックが関与していたはずだ

ジョー・ローガンのポッドキャスト「ジョー・ローガン・エクスペリエンス(Joe Rogan Experience)」は、世界中で圧倒的な人気があります。スポティファイでの配信が中心ということですが、ユーチューブのチャンネル登録者数 も1730万人(2024/9/13現在)と、主要ニュースメディアのCNNを超えており、世界一のポッドキャスト番組と認定されています。

ジョー・ローガン:ジョーダン・ピーターソンにサイケデリックの効用について語る。

27:30 世の中は、奇妙な状況にあると思います。というのも、「ドラッグ」〔薬物〕という用語があまりにも包括的であり、全く異なる効果を持つ物質を指して使われるからです。それはカフェイン、ニコチン、そしてジメチルトリプタミン〔DMT、幻覚剤〕を含みます。それらが全て薬物とされるのは馬鹿げています。アデラル〔アンフェタミン系、注意欠陥・多動性障害(ADHD)やナルコレプシー(過度の眠気を引き起こす睡眠障害)に効果〕やベンゾジアゼピン〔向精神薬〕、ザナックス〔ベンゾジアゼピン系、不安や緊張を緩和〕など数え切れませんが、みんな「薬物」でひとくくりにされます。サイケデリックもまた薬物であるとされています。

28:08 ほかに良い呼び名もないので仕方ないかもしれませんが、ぼくはまったく別物だと考えています。おそらく、サイケデリックはぼくたちを人間にしてくれたものであり、人間社会の発展にも寄与しています。あらゆる偉大な古代文化がサイケデリックを称賛し、使用していたと思います。エジプトにはシロシビン〔幻覚剤、キノコに含まれる〕などさまざまなサイケデリックを使用していたという数多くの証拠があります。

28:27 いろいろな文化において脳の松果体が表象されているようすから、それが重要であることが分かります。松果体のイコノグラフィーは、エジプトだけでなく、なんとカトリック教会でも見られます。バチカンには大きな松ぼっくりの像があります。非常に優れたフランス人研究者をプライベートガイドを雇ったのですが、絵画や工芸品などいろいろと詳細に説明してくれましたよ。大きなペニスは野蛮であるとされ、小さいペニスのほうが威厳と教養を表していた、とかですね。

29:36 松ぼっくりのところへくると「何を表すと思いますか」と尋ねるので、「松果体」と答えると、彼は「その通り!」といって、なぜカトリック教会がその巨大な松果体の表象物を所蔵しているのか説明してくれました。彼によると、松果体は「魂の種」と考えられていました。この脳の中心に位置する腺である松果体が、文字通り「第三の目」とされていたのです。爬虫類はそこに角膜とレンズをもっています。東洋の神秘主義によれば、まさに「第三の目」のあるところですよ。そして、そこがジメチルトリプタミンの生成される場所だと考えられています。

30:21 この松果体を特別視する考え方は、非常に古い時代にさかのぼります。ジョン・アレグロの死海文書研究〔『聖なるキノコと十字架』(初版1970)高橋健訳〕が正しいとしたら、古代キリスト教徒たちは、ギリシャのエレウシスの密儀やアマゾンなど世界中のさまざまな文化における儀式と非常に似た体験をしていたはずです。これらの深遠な儀式の体験がスピリチュアルな世界への旅を通して高次の意識とのつながりをもたらしたのです。その体験は非常にリアルである一方、未体験の人に説明すると馬鹿げて聞こえてしまいます。

31:22 ジミ・ヘンドリックス〔アメリカ人ロックギタリスト・シンガーソングライター、1970年没〕の音楽みたいなものですよ。経験すると、世界は様変わりします。ほとんどの人は知らずに人生を終えるのですが、この世に存在するもののうち最も衝撃的で深遠なものが、3度ハイになるだけで手に入れられるのです。20~30秒で、とつぜん、まったく異なる宇宙の中にいるのです。これは驚くべきことですよ。

31:55 たんなる現実逃避だ、といわれたりしますね。でも、これが文明の源であるかもしれません。言語の発祥や200万年かかった人間の意識の拡張や脳の倍増の要因かもしれないのです。テレンス・マッケナは、熱帯雨林が草原に変わったこととダイレクトに関係しているといいます。霊長類が新しい物を食べてみなくてはいけなくなり、カブトムシやその幼虫などを探して牛の糞をひっくりかえしているうちにシロシビンを含んだきのこを食べるようになったということです。アフリカにいけばどこにでもあります。そこにあるものなら、当然、食べてみるでしょう。

32:50 これを200万年やっているうちに、人類は言語、文化、武器を発展させてきたのです。そして思考を変化させ、ついに他の動物とは異なる存在となった――これがマッケナの「ストーンド・エイプ〔ハイになった猿〕理論」です。

33:08 彼の兄弟で、正真正銘の科学者であるデニス・マッケナは、大量のシロシビン体験における脳内シナプスのメカニズムから、それがいかに言語能力の発達につながったのか、よりうまく説明しています。音や物体などをコミュニケーションにおいて結びつける能力を発達させたのです。少量のシロシビンは視覚の鋭敏さや性欲を高めるといわれています。よく見えるのですからよりすぐれた狩人となったでしょう。自然環境への感受性がよくなり、輪郭を見分ける能力も変化しました。

34:04 なにがぼくたちを人間にしたのか、人びとは化石記録などから理解しているふりをしていますが、実際にはまだ多くの謎が残っています。たとえば、デニソワ人のような人類は、20年前にはまったく知られていませんでした。何が起きたにしろ、ぼくたちをまだ地上に生きている他のすべての霊長類とは違った生き物にしてしまったのですから、おそるべき大変化です。ぼくは、この進化の過程にサイケデリックが関与していたと信じています。

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